面白エッセイ c1191 真っ赤っか とうとう夜這いに移っていたのである。先輩が伝授していた通り、身をかがめ、こっそり家の裏へまわる。そして、物音一つしないよう、明子の寝ている裏座の戸ををやっと入れるくらいの隙間で開ける。島の家の造りは、一番座、二番座があり、必ずと言っていい程... 2024.01.18 面白エッセイ
面白エッセイ c1190 注意点 日本の南端、この黒島ではその昔、夜這いは日常の出来事で、公然と行われていた。勿論、夜這いが成立するには、お互いがある程度、好意を持ち、受け入れられていたのである。昭二は二十歳。隣村の十八歳、明子に、ほのかな想いを寄せていた。夕陽が真っ赤に沈... 2024.01.18 面白エッセイ
面白エッセイ c1188 スケベーじーさん 南の島には、個性豊かな老人達が多い。自他共に認める、島で一番のスケベーじいさんがいる。水着姿の観光客、女の子達が集まる休憩所へ何時もちょこちょこ出かけるじいさんで、若いピチピチした女の子を見ると、すり寄っていく。あんたは肌が白い、顔立ちにも... 2024.01.17 面白エッセイ
面白エッセイ c1187 くっ付けろ 島の方言で、くっ付ける、は「しびしきる」だ。しび、はお尻だ。しきる、はくっ付けろだ。彼と彼女を、しびしきれ!、は「くっ付けろ」と言う事で、お尻をくっ付けさせろ、と言う事だ。人間の親しくなる関係、くっ付く関係、同胞関係をお尻で表現する所あるか... 2024.01.17 面白エッセイ
面白エッセイ c1184 死なすしかないさー いわれたとおり水をかけると、確かに寒いのか、泣き止まる、がしかし、30分もするとまた泣き始まる。30分おきに水をかけ通したが、人間の体が持たない。オスのヤギのいるところ知っているので、連れてこようか、というと、奥さんは即座にブルルン、ブルル... 2024.01.17 面白エッセイ
面白エッセイ c1182 郵便配達 見晴らしのいい観光休憩所でのんびりしていると、赤い郵便局のバイクが来、顔なじみの配達員が、兄さん、東京から手紙だよ!、と配達してくれた。東京なら郵便受けへポンで終わりだが、島らしい。なぜ俺がここに居る事が分かった、と聞くと、民宿で聞いた、と... 2024.01.16 面白エッセイ
面白エッセイ c1178 ファッションモデル? 島に昼間は軽食、夜は飲み屋になる小さな店がある。ヘルパーとして23歳の娘と27歳の真美ちゃんが、昼夜交代で働いている。真美ちゃんは、ひかるの娘と同じ名前なので、何時も呼び捨てにしかわいがっている。真美も、ひかるの事を父親の如く親しくしてくれ... 2024.01.16 面白エッセイ
面白エッセイ c1177 天空橋 まったく使われていないが、滑走路を思わせる訳の分からない、とてつもない長い桟橋がこの黒島には残っている。周囲12キロ、海抜12メータ、平べったい島の規模からすると、昔の人のやる事は分からない。昔の出来事、車や重機も無く、すべて人力。超大型台... 2024.01.16 面白エッセイ