面白エッセイ

 z1012 初! 自動ドア

昭和38年4月、一週間も船に揺られ上京。沖縄は電車のない県ですが、島には車や耕運機すらなく、電車という乗り物は初めての体験。(現在はゆいモノレールが走っています)けたたましく責め立てるベルに、前の人に連られ急いで乗り込みました。すると、あま...
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z1011 生き別れ

今更、船から飛び降り戻る訳にはいかない・・戻れない・・親子の全てを断ち切った!木の葉のような橋渡船の父に、最後の別れを一言。「許してくれ! 息子は亡き者と、諦めてくれ・・!」心底絞り出す言葉は、声になりません。千切れんばかりに手を振り、今後...
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z1010 夕陽の涙

年老いた両親と、体の不自由な妹を島に残し、旅立つ息子は親不幸なのだろうか・10歳の遊び盛りに、足の不自由な妹の遊び相手は誰がするのだろうか・・何時迄も、何時までも、元気に暮らして欲しい・・・夕陽は周り一面を真っ赤に染め、西の海へ深々と物悲し...
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z1009 画像

別れ船・・OLYMPUS DIGITAL CAMERA
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z1008 別れの杯

空路が開かれた今では想像出来ませんが、当時、上京するには黒島から朝一便の船で石垣島迄行き、夕方石垣を出港し翌日の昼頃那覇港着、夕方那覇港を出、東京の晴海埠頭まで3泊4日、便数も週2便しかなく更にパスポート持参での上京。もし危篤の知らせがあっ...
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z1007小さな寝息

米国の統治下、勿論、保険制度もなく手術や渡航滞在費等、細々と暮らす一家にとって、とてつもない費用。遊び疲れたのだろうか、妹は膝に抱かれ小さな寝息、ランプの薄灯かりに映し出される、疲れ切った父の横顔は、藁をもつかむ眼差し。普段ですら無口な父は...
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 z1006 小児麻痺

ひかる11歳、妹が3歳の昭和29年夏。父は漁へ出かけ、母は野良仕事。やっと走りまわれるようになった、妹の遊び相手をしていると、元気がなくなり、そのうちグッタリ倒れてしまいました。急いで母を呼び戻した頃には、泣き声一つ出す力さえなく、痙攣の合...
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 z1005 3文字

情報の全くなかった島、電波など考えられなかった島で育った少年には、そんな望遠鏡が有るはずがない!魔法使いにでも出来ないはずだ、と思えるのでした。しかし、何度読み返しても5コマ漫画は同じ答えしか出してくれません。以後、テレビの3文字は少年の脳...
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 z1004 挑戦!TV界

昭和18年8月、八重山地区の黒島にひかる誕生。出産設備や病院のない島で、生まれた子供が次々と3人も他界した後、3歳違いの長女に続く男子、ひかる誕生で、両親の喜びはひとしお、八年後、母43歳で妹が誕生、妹は高齢出産の子、特別可愛がられ幸せな五...
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 z1003 貴重な財産

台風情報を一番先に捉える、日本南端の石垣島気象台で知られ、空港拡張ではサンゴ礁破壊問題を抱えています。南の島々は空から見下ろすと全てサンゴ礁で縁どられ、そこへ打ち寄せるさざ波は白くリング状に取り巻く。鮮やかなコバルトブルーから、濃いネイビー...