面白エッセイ z1171 偽ミンク この島では、気温が10度を切ると、近海の魚が凍死して浮き上がってくる。一番寒さに弱い魚は、フクラビと呼ばれるカワハギである。立派な皮を纏い、見た目は寒さに一番強そうな魚が、一番弱い。カワハギ! お前は、イミテーションのミンクのコートを着てい... 2023.10.05 面白エッセイ
面白エッセイ z1170 垂れ垂れオッパイ 島のじいさんと飲んでいたら、今の女のオッパイは、成っていない、あの格好は何んだ、と怒っている。猥談でも始まるのかと思うと、真面目な話のようだ。昔の女は、オッパイを長く長く伸ばす訓練をしていたんだぞ。子供を背負い、オッパイを欲しがったら肩へち... 2023.10.05 面白エッセイ
面白エッセイ z1169 献杯 女房一族のドンが亡くなった時、献杯の音頭は、ひかるしかいないと、音頭を取らされる信頼、急変ぶりである。勿論、ひかるは必死に働きマイホームを構えていたが、女房の親が年を取り、足元もおぼつなかったので、親の面倒は子供が見るべし、と嫌がる女房を説... 2023.10.04 面白エッセイ
面白エッセイ z1168 子孫 投資した金は半分に減ってしまったのである。それからというのは、親からもらった財産を半分に減らした分を、なんとか元に戻すと、更にお金に対する執着、そして呪縛は、日を増すにつれ、膨らんで行った。とうとう60を過ぎても結婚出来なかったのである。そ... 2023.10.04 面白エッセイ
面白エッセイ z1167 新婚生活 ひかるの新婚生活、女房の実家に猛反対され、それこそ三畳一間、電化製品ひとつない、貧乏どん底からのスタート。木造で、廊下は歩くとミシミシ音がし、トイレはポットン便所の安アパート、夫婦で共働き、やっと家賃が払えるという生活。東京で家賃が一番安い... 2023.10.04 面白エッセイ
面白エッセイ z1166 田舎者 当時、沖縄は日本国ではない。米国統治下でパスポートを持っており、ましてやひかるの生まれ育った島など、日本の地図には載っていない。彼女の実家は、代々手広く卸問屋をしており、嘘かまことかは分からないが、皇族にもつながる由緒ある家だと言っていた。... 2023.10.03 面白エッセイ
面白エッセイ z1161 人生のスタート ひかるが、なぜテレビ業界を目指したのか。昭和30年代、TVは緒についたばかりだ。遥か南端の小島、映画館は無いが、子供心に映画を見たかった。石垣島まで渡れば映画は見れたが、家が貧しくそれも出来なかった。南端小島、飛行機は無く船輸送、マンが本等... 2023.10.03 面白エッセイ
面白エッセイ z1165 軽い男 食事を済ませ8時過ぎ、庭のテーブルで、泡盛を飲んでいると、民宿の20代半ばのカップルが2組散策がてら、ぶらりと入って来た。東京と島を年間半々生活してる私を見て、うらやましい。自分の両親にもそのような生活をしてもらいたいと、話していた。親父は... 2023.10.03 面白エッセイ
面白エッセイ z1164 ヤギの乳 子供が生まれても、昔は栄養が行き届かず母親の乳が出ない場合が結構あった。勿論、ミルクは無く、冷蔵庫も無い時代。そこで、ヤギの乳を頂く事になる。そうやって島の子供達は育ったのである。ひかるも母に3軒の家からヤギの乳を頂いたという。だから、3軒... 2023.10.03 面白エッセイ