面白エッセイ z1192 瓶拾い 結婚をさせ、子供でも出来れば、元の明るい子に戻るだろうと、石垣島の知人に、相手を紹介して欲しいと依頼した。十歳も年上の健一という男と見合いをしたが、抜け殻のようになった明子は、親の言うまま結婚。健一の仕事は、船の荷役という日雇い労働者だ。当... 2023.10.08 面白エッセイ
面白エッセイ z1191 真っ赤っか とうとう夜這いに移っていたのである。先輩が伝授していた通り、身をかがめ、こっそり家の裏へまわる。そして、物音一つしないよう、明子の寝ている裏座の戸ををやっと入れるくらいの隙間で開ける。島の家の造りは、一番座、二番座があり、必ずと言っていい程... 2023.10.07 面白エッセイ
面白エッセイ z1190 注意点 日本の南端、この黒島ではその昔、夜這いは日常の出来事で、公然と行われていた。勿論、夜這いが成立するには、お互いがある程度、好意を持ち、受け入れられていたのである。昭二は二十歳。隣村の十八歳、明子に、ほのかな想いを寄せていた。夕陽が真っ赤に沈... 2023.10.07 面白エッセイ
面白エッセイ z1189 珍人生 この島に、30年前に本土から移住してきた人がいる。コンクリで立派な家を建て、そのかわり冬場しか島にはいない夏場は本土へ帰るのである。その家が空き家にならないよう、管理の名目で夏場だけY氏が利用している。当然30年来、島へ来ているから、年齢的... 2023.10.07 面白エッセイ
面白エッセイ z1188 スケベーじーさん 南の島には、個性豊かな老人達が多い。自他共に認める、島で一番のスケベーじいさんがいる。水着姿の観光客、女の子達が集まる休憩所へ何時もちょこちょこ出かけるじいさんで、若いピチピチした女の子を見ると、すり寄っていく。あんたは肌が白い、顔立ちにも... 2023.10.07 面白エッセイ
面白エッセイ z1187 くっ付けろ 島の方言で、くっ付ける、は「しびしきる」だ。しび、はお尻だ。しきる、はくっ付けろだ。彼と彼女を、しびしきれ!、は「くっ付けろ」と言う事で、お尻をくっ付けさせろ、と言う事だ。人間の親しくなる関係、くっ付く関係、同胞関係をお尻で表現する所あるか... 2023.10.07 面白エッセイ
面白エッセイ z1185 悲恋 育造爺ジイーは、大阪の漬物工場で、長い間働いていたが、ふらりと一人で、生まれ島へ戻って来た。結婚はしたことがあるのか、子供は居なかったのか、誰にも過去の話はしない、と言う。機嫌良さそうな顔で、どうやって手に入れたのか、泡盛の二合ビンを1本持... 2023.10.06 面白エッセイ
面白エッセイ z1184 死なすしかないさー いわれたとおり水をかけると、確かに寒いのか、泣き止まる、がしかし、30分もするとまた泣き始まる。30分おきに水をかけ通したが、人間の体が持たない。オスのヤギのいるところ知っているので、連れてこようか、というと、奥さんは即座にブルルン、ブルル... 2023.10.06 面白エッセイ
面白エッセイ z1183 悲痛な声 前にも増して泣き方が、懇願するようなもの悲しさと悲痛な声で泣いている。再度育造爺ジイーの所へ行くと、満面の笑顔で泡盛を舌なめずりで飲んでいる。ジーが泡盛を飲むとケツに根が生え、びくとも動かず、泣き声などまったく耳に入らない。頼んでも、頭の中... 2023.10.06 面白エッセイ