面白エッセイ z1202 貴方は一万円か? 古老の話によると、昔は名字が無かったそうだ。そのせいか、この島の古老達は、あだ名をよく使っている。また、あだ名のつけ方が、ユニークで、特徴をよくとらえている。普通は、大工屋あるいは畳屋、鍛冶屋など、職業による名前を使っているが、結構あだ名を... 2023.10.09 面白エッセイ
面白エッセイ z1201 ハナ ハナ ハナミー 民宿の庭で観光客と飲んでいると、二十歳前後の女の子がペアでいた。島の方言で、親しい間柄、信頼している中、親友中の親友は、パナヌミ(鼻の穴)と表現する。訳は、人間の体の中で、目や耳、乳、手や足など、対になっているが、鼻の穴が一番近い。奥では一... 2023.10.09 面白エッセイ
面白エッセイ z1200 アリ避難 前年に続き、大型台風が10月に島を襲った。4日前の10月3日、島は台風の予兆も無く晴れて雨も無い。いつも通り庭でくつろいでいると、あれれ?いっぱいいるはずのアリ達が、完璧にいなくなり、巣に避難してしまっているのだ。とんでもない予知能力だ。確... 2023.10.09 面白エッセイ
面白エッセイ z1199 アッコにお任せしたーい 昔々南の小さな島では若い男女の巡り合い、恋愛やお見合い等ではなく、夜這いが結びつきの大きなきっかけであった、と曾祖父が話をしていた。今では想像つかない面白い話がある。小さな島に高島吉蔵、91歳のおじいちゃんがいた。ばあちゃんは90歳で名前は... 2023.10.08 面白エッセイ
面白エッセイ z1198 女の夜這い ちなみに、この地区の島に、夜這いは、女がする事になっている島があるそうだ。夜這いの作法は、ノーパンが原則だとの事。そんな島で生まれ育っていればよかった、と誰も思うだろう。ノーパンを方言ではマルバイと言う。女の夜這いはマルバイだー!あるボス的... 2023.10.08 面白エッセイ
面白エッセイ z1196 社長 二十歳で島を出た時は、着の身着のまま、石垣島、沖縄本島で、日雇い労働者として旅費を工面、少しでもいまわしい記憶のある島から離れたい、と大阪まで辿り着いたのである。大阪でペンキ屋、左官や土木作業員等転々し、溶接工になった。暇になると、どうして... 2023.10.08 面白エッセイ
面白エッセイ z1195 大金 昭二は、夜這いの話が再燃し、明子の身にこれ以上災が起きては、とそそくさと帰り支度をした。明子の縋る気持を振り切り、来た道をとぼとぼ帰る昭二の背中は泣いていた。昭二は、やはり自分の家には寄らず、そのまま港から四十年前と同じ、誰にも気づかれず島... 2023.10.08 面白エッセイ
面白エッセイ z1194 土下座 夜這いがあったあの日、昭二を受け入れ、ささやかな世帯を持ちたいと思っていた。昭二が後手に、柱に縛られ泣いている時、なんで父親に自分の気持ちを打ち明けられなかったのだろうか。何度も、何度も後悔をしてきた。昨夜もトタンに囲まれた風呂場、ドラム缶... 2023.10.08 面白エッセイ
面白エッセイ z1193 他所者 そんなある時、島に一人の男が立ち寄った。手ぶらながら、ネクタイに背広姿、島人の姿とは違うので、明らかに他所者、旅人である。他の客が船から降り終わった後、一人降りて来たが、人が群がっている所は避け、懐かしそうに探索している。帽子をかぶり、サン... 2023.10.08 面白エッセイ