z1066 鼓動との対話


脳死という言葉がありますが、脳が死んでも鼓動は続いており、逆は成り立ちません。
不幸にして道半ば、やむなく止まる事を宣告され、残る鼓動をどう使うべきか、と思案に暮れる人生があるかと思うと、朝の目覚めに己の鼓動へ触れる時、昨夜来、全ての機能が休んでいる間も、元気に続けるこの響き。
値千金で、感謝せざるを得ません。
これほどすばらしい鼓動でも、一度止まったら終点。
例え、栄耀栄華を極め、いかなる名声を得ようとも、間違いなく止まる宿命を帯び、ただひたすら打ち続ける。
これしかなく、無意味に打たせれば、白髪とシワが増えるだけ。
しかし、精神には終点がありません。
音楽や芸術の世界、生き方など、先人達が残してくれた思想や、素晴らしい作品に、何百年後でも感動させられ、小さな事でもいい、自分の子供にだけでもいい。
何かを残せる人生を、歩みたいものです。
一人ぼっちで寂しい時、人生の嵐が襲い掛かり、苦しい時、そっと胸に手を当て、生まれた時と変わらない、清らかな響きで打ち続ける、鼓動との対話を試みてみましょう。
今まで、何十年間、動き続けたのだろうか?
精神が全てを休め、ぐっすり眠っている間も、暗闇、孤独、何のそのと打ち続けるだけ。
ひと休みしたいだろう・・
疲れるだろうに・・

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