z1154 風葬


亀甲墓は子宮の形だと言われ、命は子宮で育まれ、完うしたら、またそこへ戻ると言われ、入り口は80センチ程の四角い、入り口になっており、勿論、蓋は分厚い四角の石で覆われ、空気が外へ漏れないようになっている。
風葬と呼ばれる方式で、遺体は決して焼かない。また、西洋のように埋めるような事もしない。
棺のまま墓へ入れ、肉体が風化したころ、きれいに洗骨し墓の中に収めるのである。
遺体を棺のまま墓の中へ入れる為、異臭が漏れないよう、密閉出来るようになっているのである。
勿論、洗骨は強烈な異臭等、赤の他人ではなかなか出来ないものである。
ひかるも両親が亡くなった時、初めて小さな入り口から腹ばって中へ入ったが、暗闇の周りは、こうべと骨だらけ、足の踏み場も無い。
しかし、先祖であり、血の繋がったこうべだと思えば、なんとか佇んでいられた。
赤の他人だと、どうしても恐怖心で、その空間には、いられないだろう。
もしかして入り口が、何らかのかたちで塞がってしまへば、もう2度とそこからは出れない。声を出しても絶対に届かない。
そういう意味で、全く他人はそこへ入れないという事だ。
墓の中のスペースは、先祖代々のお骨が保存出来るスペース、そして、棺を入れ、入れた人が入り口から出るスペースも必要だ。
よって、かなりの空間が必要で、先祖代々の血族が一つ屋根の下で祀られるのである。
大きな亀甲墓を作る事は大きなエネルギーが必要で、罪を犯せば墓に入れてもらえない。
という事は最大の屈辱であり、悪事に対する抑止力は墓だったという。
ちなみに墓の入り口を開けるのは、遺体を入れる時以外は決して開けてはいけない。
どうしても分骨したり、墓の中のお骨を取り出す場合は、鶏など生贄にて代わりの儀式を行い、開ける必要がある。
日本に風葬をする人種がいたという事である。

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